top of page

 

 

・タイトル

ヒューマノイドは、形容詞では人間そっくりの、人間によく似た、という意味だそうです。名詞では人間に似た生物や人型ロボットを指すそうです。アンドロイドのマリンと思考能力を持つ刀である海雪のどちらも表せそうな単語かつ、前作のモノクロームみたいな片仮名にしたいという思いがあったので、ヒューマノイドに決定しました。

・キャッチコピー

たとえかなわなくとも――――。について。わざと平仮名にしています。叶うと敵うのダブルミーニングにする為です。海雪の願いが叶わない、イオニアに敵わない…という意味を込めています。

・マリンスノー

キャラクターデザインは、動力源になっている宝石の持ち主である女神イオニアっぽさを出しつつ、前作主人公のクロウの対を意識しています。表情筋が死んでるのはお揃いですね。でもマリンの場合、あえて表情を殺しているのが違いです。

 

名前の由来は、マリンスノー(プランクトンの死骸)ではなく、アクアマリン(宝石)とスノードロップ(花)から来ています。

アクアマリンの石言葉は『沈着』『聡明』『勇敢』『信頼』『伝達』『世界を知る』

スノードロップの花言葉は『希望』『慰め』『あなたの死を望みます』

すんごいぴったりなのですが、マリンスノーという名前を見てもアクアマリンとスノードロップなんだな!と気付く人は居ないだろうなと思いました。完全に自己満です。なんてこったい。

 

マリンの動力源として使用されているコアは女神イオニアの力が宿った宝石です。なのでその世界にイオニアが居るか居ないかが分かります。引かれ合うみたいな。彼女は勘と言っていましたが、あながち間違いではないという。

 

作中でも軽く説明がありましたが、体が自動で修復したり世界を渡れたりするのは、女神の持つ不老不死性や世界を渡る力…の劣化版みたいな感じです。擬似的な感じ。だから体は万全の状態に維持出来ても記憶の劣化は止められないし、飛ぶ世界はランダムで連発も出来ません。海雪さんの「人間になりたい」という願いを叶えた時も、刀だった頃の記憶を喪失してしまうという形で不完全さが出てしまいました。でも夢で見ていたりするし、完全にマリンとの思い出が無くなっているという訳では無さそう…?

 

それにしても殺そうとしている相手の元所有物が自分の動力源って、なんか凄い皮肉だなと思うのは私だけでしょうか。多分イオニアはそういうのも込みで楽しんでたのかも知れません。

アンドロイドにしたのは、人間だとこんな過酷な旅無理でしょ…と思ったのと、海雪さんと対話させる為です。海雪さんは物としか喋れないので、マリンを同じく物であるアンドロイドにする必要がありました。また、私達が生きている世界ですらいろんな国があって言語があるので、異世界全部が一つの言語かつ共通語な訳がないと思いまして。となるとマリンが動力源の女神パワーを元にアンドロイド技術でその世界の言語をインストールすれば問題ないな?という発想に至りました。とにかく、人間って万能じゃないし制約が多いというのが一番の理由です。

詳しい設定はこちら

・海雪

海雪のサイズは73cm。波です。155cmの人にとって丁度いい刀のサイズが70〜73cmだそうで、154cmのマリンにぴったりだと思い、即決でした。

 

無機物をキャラクターにしたのは初めてでした。喋る系の武器ってちらほら見かけますが、自分で考えた事はなかったです。愛嬌あって可愛いですよね海雪さん。擬人化イメージはショタです。

 

体があんななので表情も動作も封じられているのと同義だった為、感情表現等において一人称小説の語り部というのがはまり役でした。マリンがメインの語り部だと海雪さんが余りにも不明瞭になってしまう。

物とだけ喋れる海雪さんが作中の人物達と意思疎通出来た理由

マリン→アンドロイド(物)だから

クロウ→クローン(物)だから

リリィ→死神の時と同様のノリ

オルカ→元実験体(物)だから

イオニア→女神様はなんでもありや

 

刀であるが故に動けなかった海雪さんですが、今は自分の足で前に進む事が出来るので、良かったね…って思います。彼はマリンと、そして前世の自分と再会出来るのでしょうか。彼のみぞ知る未来。

​詳しい設定はこちら

​・その他

久々の一人称小説でしたが、本当に楽しく書く事が出来ました。一人称小説っていいものですね。まるで自分に語りかけて来ているみたいで、一緒に旅してる気分になれました。海雪とマリンのノリが好きなので終始楽しかったです。でも最終話以降掛け合いが見れないと思うと悲し過ぎました。本当に寂しい。

 

話のボリュームは長過ぎると色んな意味でダレちゃう気がしたので…丁度いい塩梅になったかなと思っています。

 

セリフが少なくてシリアスでハッピーエンドだったモノクロームと対照的に、ヒューマノイドはセリフが多くて基本ギャグでバッドエンドを目指しました。目指したんですが、メリーバッドエンドみたいな感じになってしまいました。正直完全なバッドエンドは此方の精神力がもたないのでこれで良かったと思っています。相変わらずイオニアは最低最悪下衆女神でしたね。さっさと退散する所もお変わりないようで…。

 

序は結の後の海雪さんの話です。マリンの願いで人間に転生しました。序以降、結に至るまで僕という一人称は出てこないので(カタカナだとイオニアが使っていますけども)、この『僕』が誰なのかは最後まで分からないという、時系列が逆なのがミソです。ちなみにマリンと海雪さん(刀)は、氷雪の世界の滝の前の雪の中で一緒に眠っています。

前作キャラとの邂逅は個人的にロマンだと考えているので、絶対入れたい要素でした。ついでに現在の前作キャラの様子も書けて一石二鳥ですからね。一人でテンション上がってました。ふふふ。

bottom of page