・タイトル
モノクロームは名詞では単彩とか単色画という所謂モノクロ(白黒)なのですが、形容詞では退屈な、飽き飽きする、という意味だそうです。モノクロのキャラクターは、リリィ以外白黒に寒色を差し色にしています(趣味です)。形容詞としての意味は、不老不死の管理者やイオニアの心情と思って頂ければしっくりくるかな?と。ぶっちゃけ形容詞の方は後付け設定です。調べてビビりました。モノクロなキャラデザばっかりになったからモノクロームにしようってノリでした。偶然ってすごいや。
・キャッチコピー
旅路の果てに待つものは――――。について。クロウとリリィの逃避行とクロウと管理者の終わりなき旅路、のイメージです。人間界に足を踏み入れたクロウと管理者は、一体どんな人生という旅路を歩むのでしょうか。リリィが健在な間は三人で過ごしてそうだけど、リリィが居なくなってしまった後は…?
・死神
拠点は高い塔です。地下には培養器がズラーっと並んでいる培養施設があります。地上にはそれぞれの待機部屋と管理者の私室とかなんか色々あります。他人不信な管理者の事だから全部屋に監視カメラ置いてそうですよね。
死神って命令に忠実なロボットみたいなものなので、部屋に何も無さそうだなって思ってます。睡眠要らないしベッドすら要らない。命令あるまで何もしない。何が楽しくて生きてるんだと言われても感情がないから苦痛すらないという。そう思うと死神は悲しきモンスターだけどある意味無敵かもしれない。喜びもなければ苦痛もない人生…。
死神が人間に見えないのは違う世界の存在だからなのですが、分かりやすく言うなら幽霊みたいな感じです。見える人見えない人がいるのも幽霊なら何となくニュアンス伝わるかもしれません。尚、冥界を後にして以降クロウと管理者は、人間界の住民と世界に見なされたのか人々から視認されるようになりました。
・クロウ
クロウの名前の由来は勿論カラスですが、個人的には苦労も由来に入っていいんじゃないかってくらい苦労してる主人公だなと思っています。リリィと管理者どっちも選ぶ強欲さは優しいのか天然たらしなのかどっちなんでしょう。どっちもか。
クロウのマフラーは翼を意識してデザインしました。色々破けている箇所が多いのは、それだけ激しい生き方をしてきた証拠なのでしょう。管理者には新しい服あげなさいよと言いたい。
クロウが肉体派ならリリィは頭脳派だし、バランスの取れた二人だなと思っています。補い合うっていいですよね。
クール系主人公は初めての試みだったのでどうなるかなと思っていましたが、クロウって顔に出にくいだけで内面は凄く熱いタイプでした。外はひんやり中はあちち。
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・リリィ
リリィの名前の由来は当然ながらリリー(百合)から来ています。リリーではなくリリィにしたのは、そっちの方が何となく字面が可愛かったからですね。ちなみに百合の中でもリリィは白百合のイメージが強いです。花言葉は結構多くて『純潔』『威厳』『無邪気』『清浄』『高貴』『甘美』『自尊心』『誇り』『偉大』『英華』だとか。自分というものをしっかり持っているけど可愛らしさもあるお嬢様なリリィにぴったりだなぁと思っています。
ちなみに黒百合の花言葉は、『呪い』『復讐』だそうです。呪われて復讐に走ったあの人を連想しますね。
リリィって本当に大人ですよね。9歳とは思ってません。女神様で得体の知れないイオニアはさておき、作中で一番精神年齢上だと思ってます。ほんと執筆中何度感心した事か…。リリィの凄い所であり、異常な所だなと思っています。落ち着きっぷりや察する能力、思いやりも人生何周目レベルですよね。でもたまに年相応な所も見えて、そこがギャップで可愛いんです。エピローグのリリィ、幼げがあってのびのびしてる気がしませんか。とても好きです。
リリィの特例の理由は、リリィが管理者を幽閉した人間の子孫だからという事にしようと思っていました。でも、何でリリィが産まれて9年経った今になって急に?(9なだけに)とか、人間にそこまでの力はないよなぁ…とか考えた結果、執筆中にボツにしました。結果的にお気に入りのクロウと仲が良い事が分かって目障りだから消そうとした、というかなり人間臭い理由になりました。管理者は思ったよりクロウ大好きでした。そしてクロウは思ったより天然たらしでした。それなのにあの惨状を上手い事まとめたリリィは天才だし、もっと怒っていいよ。
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・管理者
リリィが管理者に付けた名前は『オルカ』。シャチの英名です。由来は作中に書いていないので、此処に載せておこうと思います。
リリィはクロウの瞳を青空に例え、空を自由に翔ける姿からカラスを連想し、識別番号の960も踏まえてクロウと呼ぶようになりましたが、管理者の瞳は海に例えました。海で一番強いとされる生物はシャチです。しかしシャチはその強さがありながら人間を襲いません。人間と争う事無く、平和に生きていって欲しいというリリィから管理者への願いが込められています。
正直言うと管理者の名前本当にガチで意味とか諸々考慮してめちゃくちゃ悩みました。危うく半年経ちかけました。すぐ思い付くだろうと悠長にしていたらさっぱり思い付かなくて焦って真面目に考えだして二日目でしっくりくるものが見つかりました。良かった。ありがとうシャチ。
それから教えて頂いて知ったのですが、オルカには「冥界からの魔物」という意味があるそうですね。全く想定してなかったので、こんな事ある??ってなりました。昔っからそうなんですが、偶然を味方につける生き方をしてるなと思いました。それが偶然じゃなくて狙ってやってたら完璧なんですけどね。
服のしましまは囚人服イメージです。冥界に幽閉された罪人というニュアンス。正直な事を言うと後付け設定です。趣味でしましまにしたら結果的に上手い事ハマっただけです。資料描いてる時に服の模様どうしようかなと思ってふと自分の着ているパジャマを見たら黒白のしましまで、ああこれええやんこれでええやってノリでやりました。反省はしていません。シャチっぽい色合いなのもたまたまです。たまたましましま。冥界出た後もこの服のままだから気に入ってるんだと思います。
管理者は物のように扱われたので物のように扱うしか出来ないというか、それしか知りません。愛し方が分からない悲しきモンスターでした。というより愛があってもそれが愛だと自覚出来ないみたいな…複雑なんですよね…無自覚ヤンデレ?性質が悪すぎる。大好きなクロウをリリィに取られたのにムカついて嫉妬して消そうとしてるんで完全にヤンデレですよね。クロウの事はぶっちゃけ愛してるんだと思います。自覚してないけど。でもなんかこう恋愛的な意味では無くて…何なんですかねこれ…もう分からん。本人にも分からん事は私にも分からん。愛は愛でいいじゃないって事にしときます。とりあえず丸く収まって良かった。
キャラ設定の所に書くと膨大過ぎる情報の持ち主なので端折った結果、一番キャラ設定の文章量が少なくなりました。あっさり塩ラーメンに見せかけた濃厚豚骨味噌ラーメン。小説内のイオニアが全てを語ってるのでオッケーです。プロローグ読んだら管理者は元々不老不死で人間は管理者ごと冥界捨てて人間界に逃げたんだな~って思うけど、4話読んだら全部イオニアのせいやんってなるのほんと草生えます。プロローグの語り部の管理者本人も騙されてるから読者も絶対騙される。4話のイオニアの淡々としたネタバレは管理者と一緒に読者にも驚いて欲しい所です。絶望しかない。
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・イオニア
イオニアは世界観の根底に関するキャラクターが居た方が面白くなるんじゃないかという思い付きで三人より少し後に生んだのですが、とても良い結果をもたらしてくれました。創作の歯車が順調に動きだしたのは、間違いなく彼女のおかげです。曖昧だったストーリーをまとめることが出来たし、管理者を完全な黒幕にするには何処か違和感があった理由が分かった気分です。諸悪の根源は君だったのね感。
物語の展開上こうだったら助かる!こうだったら辻褄が合う!そんな時に何から何までお世話になりっぱなしでした。女神の気まぐれ最高。
イオニアはメタ的な存在だなと思っています。なんていうか、最後まで掴みどころがなかったですね。感情表現は豊かなのに、それが本心かどうか全く分からない。ピエロ感。分かったのは性格が終わってる事だけでした。そこが好きなんですけどね。
モノクロームを始める前に十年程(ほぼ人生の半分)していた創作群があるのですが、それらの世界を作ったのはイオニアと同じような女神という設定にしていました。イオニアのビジュアル(特殊な角、スカートの形状、胸元の宝石、毛先パッツン、死んだ魚のような目)はその女神を意識しています。その子は植物モチーフでした。イオニアは言うまでもなく水です。植物女神様の名前は自分で考えたものではなかったのですが、その名前を元に共通点としてイオニアの名前を教会旋律から取りました。
・その他
キャラ設定っていつも内容に悩むんですが、全てが終わった後の内容は書かないようにしています。ネタバレ前提だと面白味が減るかな…と思い。自分は分かってるからいいかなっていう気持ちもあったり。でも人に教える時に余りにも不親切ですよね。難しい。
誕生日とか身長は語呂合わせだったり意味合いを考えてだったりします。ちなみに管理者の誕生日はシャチがシチ(7)っぽいからです。そんな感じのノリです。
不老不死の研究は研究者達が全員管理者に殺されたので、自然と闇に葬られました。仮に生き残っていたとしても研究が成功した訳ではなかったので、誰も不老不死にはなれなかったと思います。実験の壮絶さからしてとても反省する人達とは思えないので、研究を再開して実験を繰り返した可能性が高いのが何とも恐ろしい。こんなネジの外れた人間達が不老不死になってしまったらと思うとゾッとしますね。